「親なきあと」相談室のセミナーで講師に

1月23日、「親なき後」相談室関西ネットワーク主催のセミナーに弊NPO代表が講師として招かれ、「成年後見制度の概要と法定後見について」というテーマで障がい者の親御様向けに解説させてもらいました。形式はZOOMで行われ、法定後見の申立ての仕方について特に詳しくお話しました。夜にはZOOM懇親会にもお招きいただき、親御様から多くの質問が寄せられ、一つ一つ丁寧にお答えしました。参加者の参考になれば幸いです。

相続人申告登記制度の新設

改正不動産登記法においては、不動産の相続人に対し「相続が開始して所有権を取得したことを知ってから3年以内に相続登記をしなければならない」と定められました。但し、相続が発生して自分が相続人だと知っても、すぐに遺産分割協議か成立しないケースも少なくありません。そんな場合に備えて、新たに「相続人申告登記制度」が新設されました。これは、不動産を相続した人が法務局に対し、「私が不動産の相続人です」と相続人の住所・氏名などを申し出て登記してもらう制度です。その後、遺産分割協議などを行って相続人が確定したら、その日から3年以内に正式な相続登記をすれば、相続人は義務を履行したことになります。相続登記の時間稼ぎともいえる制度で、2024年4月1日に施行される予定です。

相続土地国庫帰属法

この法律は、2023年4月27日に施行され、相続で取得した一定の要件を満たす土地を国が引き取るというもので、不要な土地を国庫に帰属させる制度です。申請できるのは、相続等によりその土地の所有権を取得した人に限られ、抵当権等の設定や争いがなく、建物もない更地であるなどの要件があります。申請書類を揃えて法務局に審査料を支払こととなります。また、実際に承認を受けた場合は、10年分の土地管理費用相当額の負担金の納入が必要となります。不要な土地を国に引き取ってもらうのにも、一定の要件やコストがかかることに注意が必要ですね。

遺産分割協議に期限設定

遺産分割協議に期限を設けること、ご存知ですか?
現在は遺産分割協議に法律上の期限はありませんが、改正民法が2023年4月1日に施行された場合、相続開始から10年を過ぎると、原則民法で決まっている法定相続割合で分割するようになります。施行日より前に発生した相続を対象に、5年間の猶予を置き、2028年3月末が期限の目安となります。例えば、施行日時点で相続発生から既に10年が過ぎている場合などが該当します。但し10年を経過する日が2028年4月1日以降になる場合は、発生日から原則10年間が期間となります。故人に遺言がない場合には、遺産分割協議をのんびりとやっていられない時代が到来するということに注意が必要ですね。

 

相続登記の義務化

このほど、家・土地などの相続に関する制度改正がなされることとなりました。一つは、「相続登記の義務化」です。これは、登記簿を見てもだれが持ち主なのかわからない所有者不明土地問題に対応するために、改正不動産登記法により2024年4月1日に施行されるもので、相続登記が義務化されます。相続の発生が2024年4月1日以降なら、発生から3年以内が期日となり、既に相続が発生している場合は、2027年3月末までに名義を変更する必要があります。正当な理由なくこの義務を怠れば、10万円以下の過料が課され、注意が必要ですね。