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成年後見制度とは

成年後見制度は、こんな方のお役に立ちます

●河村さん
お母さん 86歳
息子さん 60歳

※身上監護とは、被後見人が適切に生活できるように介護保険や病院・施設入所などの「身の上」の手続きをすることです。

●井上さんご夫妻 ご主人 90歳
奥さま 88歳

●大塚さんご夫妻
ご主人 85歳
奥さま 83歳

●山下さん
男性 72歳
一人暮らし

成年後見制度は法律に基づく公的制度です。
家庭裁判所(ケース1,2,3)や、公証役場(ケース4)を利用します。
後見人は、いわば人生における「伴走者」です。

後見人の仕事

後見人は何を、どのようにしてくれるのか

● 後見人ができること

  • 預貯金の管理、出し入れ
  • 保険の契約、解約、請求、受取
  • 医療や介護の手配、契約、支払い
  • 年金や生活保護等の申請、受給
  • 株や国債の管理、処分
  • 不動産の売却、賃貸、修繕、抵当権
  • 税金の申告、支払い、社会保険手続き
  • 相続の承認、放棄、遺留分減殺請求
  • 不要な買い物等の取消
  • 裁判関係
  • 本人宛の手紙を見る
  • 火葬・埋葬の手配、支払い
  • 就職の手配および労働条件の確認

● 後見人ができないこと

  • 結婚、離婚、養子縁組の決定(一身専属の行為)
  • 外科的手術の同意
  • 居所の指定
  • 遺言書の作成

後見人の種類

●後見人の種類

(1)個人後見人

親族や弁護士、司法書士、社会福祉士などの個人が後見人になることです。

(2)法人後見人

NPO法人、社会福祉協議会などの法人が後見人になります。

後見は、個人の親族後見が基本ですが、なり手がいない場合、複数担当・継続性・相互監視ができるという点で、法人後見をおすすめしています。

●法定と任意の違い

成年後見制度は「法定後見」と「任意後見」という二つの異なる制度から成り立っていますが、いずれにおいても、後見人はご本人の意思を最大限に尊重し、心身の状況や生活の状況に配慮しながら、ご本人が安心して生活できるよう、最善の努力をする責任を負っています。

「法定後見」は、誰が後見人に選ばれるかわからない、後見費用が高くつく
などから、元気なうちに自分で後見人を選べる「任意後見」をおすすめして
います。

法定後見

● 後見類型

法定後見制度には「後見」「保佐」「補助」の三つの区分があり、ご本人の判断能力低下の程度により、それぞれが適用されます。それぞれに対応して「後見人」「保佐人」「補助人」が選任され、ご本人の生活を支えます。

● 手続きの流れ(後見・保佐・補助の開始)

1
事前に日時を予約した上、家庭裁判所に出向いて申請書類一式を提出します。
2
家裁にて申立人、ご本人、後見人候補者への面接調査が実施されます。
3
必要な場合、家裁がご本人の精神状態、判断能力について医学鑑定を実施します。
4
家裁は、家族・親族などへの照会、調査を行なった上で、後見人を選任します。
5
申立人、後見人へ「決定(審判)の通知書」が送られ、その内容は法務局に登記されます。
6
後見人は仕事を開始し、ご本人の財産目録などを作成して指定日までに家裁へ提出します。
7
後見人は、定期的にご本人の生活・財産の状況などを家裁に報告します。

● 成年後見申立てに必要な書類

● 成年後見制度にかかる費用(概算額)

  項目 金額 備考
初期 後見申立手続 9,000円 印紙、切手で家裁に納付
医師の診断書 5,000円~10,000円 家裁所定のフォームがあります
継続 後見人報酬(月額) 5,000円~50,000円 第三者後見人の場合(推定額)
後見監督人報酬(月額) 3,500円~35,000円 家裁が選任する場合のみ(推定額)

《ご注意下さい》
申立て手続きを専門職(弁護士・司法書士など)に依頼すると、手続き費用が別途10万円以上かかる場合があります。

任意後見

● 手続きの流れ

1
本人と任意後見受任者が、公証役場で「任意後見契約公正証書」を作成します。
2
契約の骨子が法務局へ登記されます。
3
本人の判断能力が低下したら、家庭裁判所に「任意後見監督人選任」の手続きをします。
4
家庭裁判所が、本人の精神状態、生活状態、家族関係などを確認調査します。
5
家庭裁判所は、後見人を監督する「任意後見監督人」を選任します。
6
申立人、任意後見人へ「決定(審判)の通知書」が送られ、その内容は法務局に登記されます。
7
後見人は任意後見監督人立会いの下で、本人の財産目録を作成します。
8
後見人は任意後見監督人に、本人の生活状態、財産管理の状況などを定期的に報告します。

● 必要書類

● 任意後見制度の利用にかかる費用(概算額)

  項目 金額 備考
初期1 1.任意後見契約 30,000円 公証役場への契約手続・登記費用
初期2 2.医師の診断書 5,000円〜10,000円 家裁所定のフォームがあります
3.後見監督人選任手続き 7,000円 将来発生する家裁での手続き費用
継続 4.任意後見人報酬(月額) 10,000円〜50,000円 第三者後見人の場合には必要
5.任意後見監督人報酬(月額) 7,000円〜35,000円 家裁が決定(推定額)

《ご注意下さい》
任意後見の手続きを専門職(弁護士・司法書士など)に依頼すると、手続き費用が別途10万円以上かかる場合があります。

● 委任契約との併用

「任意後見」契約が有効となるのは「将来、ご本人の判断能力が低下した時」であり、それが何年先のことかは誰にも分かりません。判断能力はしっかりしていても身体が不自由な方にとっては、「遠い将来のことより、今すぐ生活の支援を・・・」というのが切実な願いといえます。「任意後見契約」のみでは不可能ですが、見守りや財産管理などの「委任契約」を追加すれば、そのようなご要望にもお応えできます。 また、「任意後見契約」は、ご本人の死亡によりその効力を失いますので、「死後についてのご要望」にも対応できません。身寄りがなく死後のことが気がかりな方などは、「死後の事務委任契約」を追加して希望する内容を具体的に決めておけば、不安感を大きく軽減することができます。