長い一日

11月9日は、私にとって長い一日でした。弊NPOがある高齢のご主人から電話を受けたのが11月1日。病室からの携帯電話で、入院に際しての保証人や後見人のことでお困りのようでした。初めて面会したのが11月3日。ちょっと病をしたので入院したが、1.2週間で退院できるはず。隣人の方には入院の際など大変世話になっているので、今後の後見人のことなど、退院後に隣人含めて相談したいとの事でした。11月7日、容態が悪化し、隣人交えて病室で緊急の打合せをした結果、生前のことに関する包括的な委任契約、並びに死後事務委任契約を交わすこととなり、ご本人と弊NPOの間で2本の契約を急遽結びました。そして、9日の当日、朝一番で死後事務預託金の預かり証をお持ちしたところ、さらに病状が思わしくなかったので、奥様が入所されている老人ホームに急行。車で認知症の奥様を病院までお連れし、ご主人のお見舞いを段取りしました。実は、これが最後の夫婦ご対面、手を握り合って1時間ほど時間が経ちました。印象的なシーンでした。施設に奥様を送り届けた後、奥様と施設関係者に、今後ご主人の相続が発生する事、子供がなく、主たる相続人は奥様となるが、認知症では相続手続きが進まないので、後見人の申立てが必要と説明し了承を得て、一旦引き揚げました。そして、その晩、さあ寝ようと思ったときに、私の携帯が鳴り、病院からご主人の訃報連絡を受けました。早速、病院に駆けつけるとともに、自身の意向通りに直葬の段取りをすべく、葬儀業者さんに連携し、ご遺体の安置をしてもらいました。帰宅したのは、翌日の1時半でした。長い一日でしたが、天国に旅立つ前に、ご夫婦の最後の面会が果たせたのは、動いてよかったとつくづく実感しました。(竹村)