昨日のNHKクローズアップ現代を観て

昨日、NHKクローズアップ現代で、「認知症高齢者の預金凍結問題」が取り上げられました。番組の中で、日本の成年後見制度が「差別的」だとして、国連から撤廃を勧告されているというのは、ショッキングでした。というのも、この制度が「本人意思の尊重」という点で、物議を醸しているということで、俗に言う「本人のため」という言葉が、就いた後見人の考えと本人及び親族の考えとの間でずれがあるということでした。後見人は、「本人のため」と称して本人の財産管理をより厳格にしがちで、本人や親族からすれば、「本人のため」に好きなこと・やりたいことをしたい・させてあげたいのに、後見人がそれを妨害するとして、利害が対立し、「後見人など付けなければよかった」となってしまうのです。。当方が考える「本人のため」というのは、まさに「本人主義」「本人の意思の尊重」であって、それは、「意思・必要・相当」という後見業務の3原則に照らし合わせて、後見人は判断し行動すべきだということです。「意思」というのは、今後見人がやろうとしていることが本人の意思なのか、「必要」というのは、今やろうとしていることが本当に必要なのか、そして「相当」というのは、今やろうとしていることが金額やタイミングなど相当にふさわしいのか、という観点です。以前研修で習ったことですが、改めて、後見人の判断と行動の肝に銘じるべきこととして想起させてくれる番組でした。