1年越しの不動産売却

弊NPOが後見人をしているある高齢者の不動産売却の話です。この物件は、本人が昔住んでいた店舗兼居宅で、今は空き家状態で、土地は市からの借地でした。建物の名義は亡くなった親名義で、相続登記未済でした。相続人である被後見人が長きにわたり、不要な土地代を払い続けていました。後見人として、この不要な地代の支払いを解消するには、建物を取り壊し更地にして市に返すか、建物を売却して土地を市に返すかですが、建物は3軒長屋で取り壊しには不向きでした。なので、建物を売却する方向で動きました。まずは、亡親名義の建物を被後見人名義に相続登記することですが、相続登記するには、本人の顔写真付確認資料が必須とのことで、マイナンバーカード取得にてこずりながら何とか発行してもらいました。相続登記しようとすると、親が外国籍であることが判明、戸籍謄本が揃わない中、司法書士が法務局と掛け合ってもらってなんとか相続登記にこぎつけました。そして、市に土地賃貸借契約の名義変更を昨年末に申請したのですが、契約違反の増築をしていることが判明、市の承認を得るのに数か月を要しました。やっと名義変更が終わり、次は、後見人の代理権目録に「本人の所有不動産処分」の権限を追加申立てするとともに、建物を現状有姿のままで売却したいのですが、築年数も古く、買い手がそう見つからない中で、仲介業者が粘り強く買い手を探してくれたおかげで、何とか買い手も見つかりました。買い手が見つかった段階で、市に事前に内諾をもらったうえで、不動産売買契約にたどりついたものです。振り返ると、動き出してから裕に1年以上経過しましたが、司法書士や仲介業者のご協力がなかったら、到底成約しない案件でした。関係者に感謝するとともに、被後見人の収支内容が少しは改善されたので、やれやれという充実感に一瞬浸っている次第です。

 

成年後見マスター講座③を開催

3月21日(日)9時半より、恒例の「成年後見マスター講座」をZOOMで開催。参加者は18名でした。第3回の今回は、「任意後見制度の仕組みと利用手続き」について解説しました。任意後見契約のひな形、委任契約としての併用の仕方、具体事例、登記事項証明書の見方や任意後見監督人選任手続きについて、画面共有しながら説明しました。第4回の次回は、4月18日(日)の9時半~ZOOMにて「後見人の実務」についてレクチャーします。参加費無料。参加希望の方は、info@npostep.jpまでメールでお申込みください。

 

NPOの定時総会

先日、事務所と各会員をZOOMでつないで、定時総会を開催しました。議長より、前年度の事業報告と決算、及び今年度の事業計画と活動予算の説明があり、全員一致で承認可決されました。また、今般3名の新入正会員があり、画面を通じて挨拶してもらいました。今年度は、①顧客信頼度の向上、②運営体制の整備、③担い手の育成・確保、④継続収益の増強、以上4点を重点方針として活動することを全員で確認する場となりました。

 

豊中市の成年後見促進部会に参加

先日、豊中市福祉部主催の「令和2年度第2回成年後見制度利用促進部会」に代表理事が参加しました。弊NPOは、「法人後見を受任しており、市域を活動範囲とするNPO法人」として、同部会に参画しています。会議では、成年後見制度利用促進を図るための周知啓発について意見交換がなされ、代表理事から「豊中市民で8件の法定後見受任中、7件が一人暮らしで身寄りのない案件、在宅4・施設入所3・病院入院1件となっている。一人暮らしで身寄りのない認知症高齢者を早期に発見し対応するためには、高齢者と関わりあるケアマネ・施設関係者・MSWといった関係者との接点確保と彼らへの知識啓発が極めて重要」との発言をしました。今後、利用促進の中核機関として位置づけられる豊中市社会福祉協議会「権利擁護・後見サポートセンター」との緊密な連携が重要と認識しております。

4月18日(日) 成年後見マスター講座④

来る4月18日(日)9時半より、ZOOMにて「成年後見マスター講座第4回」を実施します。第4回は、『後見人の実務』について解説します。その実務を就任時・通常時・終了時に分けてレクチャーします。参加費無料。お申込みは、info@npostep.jpあてにメールにてお願いします。