成年後見関係事件の概況①

最高裁判所家庭局が発表した昨年1年間の成年後見概況データですが、まずは成年後見制度の利用者数について。令和6年末における、利用者数は合計25.4万人であり、前年比1.8%の微増にとどまっています。多い順にいうと、成年後見17.9万人、保佐5.5万人、補助1.7万人、任意後見発効0.3万人となっています。我が国で認知症や知的障がい等により成年後見制度の利用が必要な方は1000万人はいると推計されているので、利用率は2.5%程度にとどまっていることがわかります。この制度の普及が十分かというとまだまだといった感じですね。

5月28日(水) おひとりさまの備えを冊子で学ぼう

5月28日(水)13時半より、豊中市市民公益活動支援センター(庄内コラボセンター)にて、「おひとりさまの備えを冊子で学ぼう」セミナーを開催します。定員28名、参加費無料です。お申込みは、豊中市市民公益活動支援センター宛に電話にて事前申込(5月7日(水))受付開始)が必要です。電話は、06-6398-9189です。なお、当法人にお申込みでもかまいません。参加者には、もれなく独自冊子「おひとりさまのそなえ」を進呈します。皆様のご参加をお待ちしております。くわしくは、こちら

家庭裁判所あての報告書式変更

4月1日より、家庭裁判所あての定期報告用の報告書式が変わりました。書式改訂の背景には、身上保護事務についても報告対象とすることで、後見人等が「身上保護事務の重要性」を意識してもらうことを最高裁が企図したもので、それを受けて各家庭裁判所が運用ルールを定め、新書式がスタートしました。STEPでは、各スタッフにも連絡済ですが、背景の趣旨をよくわきまえて対応していきたいと思います。

突然の訃報

一昨日の4月1日、STEPと委任契約・死後事務委任契約を結んでいる高齢者が急死しました。故人は、ご主人既に死去、子なしで独居、頼るべき親族が近くにおらず、昨年7月にどうしたらよいか相談を受けました。ヒアリングしたところ、故人は別の専門職と同様の契約を既に結んでいましたが、高額なこと・誠意を感じないことなど不安を抱いておられました。当方としては、二重契約はできないので、まずは当該専門職との契約のけじめがついたら、また相談しようとして別れました。今年3月に個人及び関係者から連絡があり、専門職との契約は全てキャンセルできたので、改めてSTEPと相談したいとなり、3月に生前の包括委任契約と死後事務委任契約を結びました。故人は、がんが転移し余命いくばくもない状況で、3月28日にお会いし、ホスピスへの入院を説得し、4月2日に入院する段取りができた矢先のご逝去にただただ驚きを禁じ得ません。4月1日に自宅に急行したら、安らかに眠るようなお顔でした。関係者の地域包括支援センターや民生委員の方も、しみじみとSTEPとの契約が間に合ってよかったと言っていただきました。唯一の心残りは自筆遺言書の作成が間に合わなかったことですが、故人の意を汲んで、死後事務を丁寧に執り行う所存です。故人のご冥福をお祈りいたします。

 

「STEPノート」作成に向けて

当法人オリジナルのエンディングノートとして、「STEPノート」作成に向けて準備中です。ノートは2種類で、一つは「高齢者用(私の記録)」、もう一つは「障がい者用(わが子の記録)」です。障がい者の8050問題を抱えるご家族には、高齢者用と障がい者用の2種類を作成していただけるようにします。ノートは、A4サイズのクリアファイル形式で、①情報をひとまとめにする、②記入の負担を簡略化する、以上2点を重視して、連絡先や家系図などの記入用シートを差し込んでいますが、ご自分で作ったメモなども差し込めるようにし、記入の手間を省くようにしました。4月中に完成できるよう取り組んでまいります。写真は、ノートの表紙に貼るシールです。