民法改正のポイント②

婚姻期間20年以上の夫婦の場合、配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居は、「遺産とみなさない」という被相続人の意思表示があったとして、遺産分割の計算対象から外れることとなりました。そして、特別受益の持ち戻し免除の意思表示も推定されます。例えば、配偶者と子が一人いるケースで、住居の評価額が4000万円、預貯金額が4000万円、合計で被相続人の遺産額8000万円の場合を考えます。仮に住居を配偶者が相続した場合、法定相続分に基づく遺産分割になると、預貯金はすべて子が相続することとされていました。しかし、今回の改正により、住居が遺産分割対象外となった場合、法定相続分に基づく遺産分割になると、預貯金額は2000万円ずつ配偶者と子が分けることになり、結果として、配偶者6000万円、子2000万円と、配偶者が優遇されるというわけです。