自筆証書遺言書保管制度②

遺言の方式には、公正証書遺言と自筆証書遺言と秘密証書遺言がありますが、秘密証書遺言はまれなので省略します。
遺言書を作成する際は、どちらの方式にするか、それぞれの特徴を踏まえて、選択する必要があります。
<公正証書遺言>
・信頼性の高い方式の遺言書です。
・法律専門家である公証人が2人以上の証人立会いのもとで、厳格な方式に従い作成します。
・遺言の内容について、公証人の助言を受けることができますし、自分で遺言の文章まで作成する必要はありません。
・作成には、財産価格に応じた手数料が必要です。
・公証人が遺言書原本を厳重に保管します。作成者には、正本又は謄本が交付されます。
・家庭裁判所での検認手続きが不要です。
<自筆証書遺言>
・手軽でいつでも書き直しができる、自由度の高い方式です。
・15歳以上で、ご自身で書くことができます。
・法令上の要件を満たしていなかったり、内容に誤りがあると、無効になります。
・作成するのに手数料はかかりません。
・遺言者が自分でその原本を管理する必要があります。
・遺言者本人の死亡後、家庭裁判所での検認手続きが必要です。
<検認とは>
相続人等の遺言書発見者が家庭裁判所に遺言書を提出し、相続人等の立会いのもとで、遺言書を開封し内容を確認する手続きのことです。
<自筆証書遺言書保管制度を利用すると>
本年7月10日から始まるこの制度を利用すると、
①法務局に自筆証書遺言書の保管を申請することができます。保管の申請には手数料が必要ですが、法務局において、遺言書が法務省令で定める様式に従って作成されているか、封がまだされていないか、などの確認後、問題がなければ保管してもらえます。
②法務局で保管された自筆証書遺言書は、家庭裁判所での検認手続きが不要となります。