民法改正等のポイント⑩

民法改正等のポイント第10回は、「(被相続人の)預貯金払戻し制度」について。相続が開始すると、被相続人の遺産は死亡時点で相続人全員の共有財産となります。したがって、被相続人の預貯金は凍結され、遺産分割協議成立前に、預貯金を勝手に引き出すことはできませんでした。2019年7月の民法改正により、生活資金や葬儀費用など必要であれば、遺産分割協議前でも、被相続人の預貯金から一定金額の払戻しが可能になりました。一定金額とは、「相続開始時の預貯金額(口座基準)×3分の1×払戻しをする相続人の法定相続分まで」の金額を指し、1金融機関からの払戻しは、150万円までとなっています。