7月25日、東大阪公証役場にて、ある高齢男性の公正証書遺言の作成にあたり、証人として立ち会いました。この男性は、奥様が既に亡くなっていて、一人娘の長女さんが知的障がい者なので、自分亡き後のことを遺言にされました。内容は、自分亡き後は、甥御さんに全財産を相続させるが、その負担として甥御さんが今後長女さんの生活費・医療費など生活の世話をするというものです。これでお父さんもやれやれという感じでした。

7月25日、東大阪公証役場にて、ある高齢男性の公正証書遺言の作成にあたり、証人として立ち会いました。この男性は、奥様が既に亡くなっていて、一人娘の長女さんが知的障がい者なので、自分亡き後のことを遺言にされました。内容は、自分亡き後は、甥御さんに全財産を相続させるが、その負担として甥御さんが今後長女さんの生活費・医療費など生活の世話をするというものです。これでお父さんもやれやれという感じでした。

『自筆証書遺言における改正点』
これまで、被相続人の自筆証書遺言は、自宅で保管するか、弁護士等に預かってもらうしか手立てがありませんでした。特に、自宅での保管は、遺言書の紛失・偽造の可能性があり、トラブル発展の恐れがありました。民法改正により、自筆証書遺言を法務局で保管する制度が新設されることとなりました。
また、自筆証書遺言が見つかった場合、相続人全員が立会いの下、家庭裁判所で『検認』という手続きが必要でしたが、法務局での保管制度を活用すれば、今後は検認手続きが不要となるため、相続手続きの手間や時間短縮につながる見込みです。
また、自筆証書遺言では、財産目録まで全て手書きでしたが、改正後は、財産目録の部分は手書きでなくてもよくなり、パソコンなどで作成できるようになりました。これらにより、自筆証書遺言の利便性が高まることとなります。
『被相続人を介護した親族の金銭請求』
法定相続人ではない親族(例.義父を介護してきた息子の嫁)が、被相続人の介護や看病していても、現行法では当該親族は遺言がない限り、介護等に対する報酬は受けられませんでした。但し、改正後は、法定相続人ではない親族も、被相続人の介護等に貢献した場合は、『金銭請求できる』ようになりました。請求できる要件としては、被相続人の相続財産の維持・増加に寄与したことなどがあげられる見込みです。
「遺産分割前に生活費を引出し可能に!」
被相続人の遺産は、亡くなった時点で、相続人全員の共有財産となり、遺産分割協議成立前に、銀行の預貯金を勝手に引き出すことはできませんでした。しかしながら改正後は、遺産分割協議前でも、生活資金や葬儀代などについては、被相続人の預貯金から一部引出しが可能になりました。
婚姻期間20年以上の夫婦の場合、配偶者が生前贈与や遺言で譲り受けた住居は、「遺産とみなさない」という被相続人の意思表示があったとして、遺産分割の計算対象から外れることとなりました。そして、特別受益の持ち戻し免除の意思表示も推定されます。例えば、配偶者と子が一人いるケースで、住居の評価額が4000万円、預貯金額が4000万円、合計で被相続人の遺産額8000万円の場合を考えます。仮に住居を配偶者が相続した場合、法定相続分に基づく遺産分割になると、預貯金はすべて子が相続することとされていました。しかし、今回の改正により、住居が遺産分割対象外となった場合、法定相続分に基づく遺産分割になると、預貯金額は2000万円ずつ配偶者と子が分けることになり、結果として、配偶者6000万円、子2000万円と、配偶者が優遇されるというわけです。